DIAGNOSTIC REPORT

愛着スコア診断
パターン解説レポート

診断の4軸・スコア分岐・各パターンの特徴と推奨アクション、
理論的根拠(愛着採用のすゝめ)をまとめた解説資料

4
評価軸
100
満点
4段階
レベル分岐
12
診断質問
SECTION 01
診断の理論的背景
システム1(速い思考)

直感的・自動的・感情的

採用活動では「説明会・スカウト・初回面談」で機能する。最初にやってくる判断で、ここで良い印象を獲得できないと「選考に進まない」という問題が起きる。

システム2(遅い思考)

分析的・意識的・論理的

採用活動では「面接・クロージング」で機能する。後からやってくる論理的判断で、ここで合理化できないと「内定承諾が獲得できない」という問題が起きる。

採用における意思決定も「システム1 → システム2 → 意思決定」の流れをたどる。
愛着スコア診断はこの2つのシステムに対してどれだけ適切な設計ができているかを測定する。

⚙️
機能面の価値(性能)

会社の強み・事業基盤・スキルアップ機会

🏅
社会面の価値(地位)

会社のブランド・社会貢献性・知名度

❤️
感情面の価値(愛着)

会社への共感・親しみ・好意
← これが最上位

SECTION 02
評価4軸の定義と点数根拠
25
感情軸
愛着の種フェーズ

感情軸(Emotion)

候補者との感情的接点をどれだけ設計できているか。速い思考(システム1)への刺激設計として機能する。

25点の根拠: 「選考に進まない」問題の根本原因。ここが0点では後続のフェーズが機能しない。感情的接点がないと愛着の種が植わらず、内定まで辿り着けない。
25
言語軸
愛着の醸成フェーズ(言語化)

言語軸(Language)

「なぜここか」を感情言語で語れるか。採用コンセプトの一貫性が心のPV(想起回数×質)を高める。

25点の根拠: キーワードが一貫していることで「思い出の積み重ね」が起きる。担当者によって言葉がバラつくと、候補者の心の中での想起が弱まり愛着が育たない。
25
体験軸
愛着の醸成フェーズ(体験設計)

体験軸(Experience)

選考プロセス全体が愛着を生む体験になっているか。「受容(自らを受け入れてくれる)×発見(気づき)」の方程式が設計されているか。

25点の根拠: 「面接っぽくなかったんですよね」という内定者の声が理想。思い出の方程式(受容×発見)が機能している状態。内定承諾率に最も直結する軸。
25
定着軸
愛着の確定フェーズ

定着軸(Retention)

入社後の愛着設計があるか。マイビーイング(「自分はこうなりたい」の言語化)を候補者と一緒に設計できているか。

25点の根拠: 内定承諾後〜入社後3ヶ月が「選択の正しさ」を証明する期間。Step1(愛情を持つ)→ Step2(愛情を示す)→ Step3(候補者が愛情を感じる)の伝播が完了するかが問われる。
SECTION 03
スコアリング計算方法

換算式

軸スコア = 回答合計 × 25 ÷ 6 (四捨五入)
各軸3問 × 最大2点 = 最大6点 → 25点満点に換算
回答 点数 基準
Yes 2点 日常的に実施している・明文化されている・全担当者が実行できている
一部 1点 意識はしているが形になっていない・特定の担当者のみ・一部のフェーズのみ
No 0点 取り組んでいない・意識したことがない
SECTION 04
スコア分岐パターン(全4段階)
Level 1
0〜25
条件採用型
愛着設計なし
機能面の価値(待遇・条件)のみで勝負。内定承諾率が著しく低い傾向
Level 2
26〜50
認知採用型
伝えているが伝わらない
情報は発信しているが感情面・社会面の価値が届いていない
Level 3
51〜75
共感採用型
一部に愛着設計あり
一部フェーズで愛着が生まれているが3フェーズが連動していない
Level 4
76〜100
愛着採用型
全体設計完了
種→醸成→確定の流れが一貫し、心のPVが積み重なっている
Lv.1
0〜25点

条件採用型(愛着設計なし)

速い思考への刺激・感情的接点がほぼゼロの状態

特徴・よくある状況
  • 求人票は条件・スペック中心で感情訴求がない
  • スカウト文は全員同じテンプレート
  • 説明会は会社説明のみ・質疑応答で終わる
  • 内定辞退の理由が「他社の方が条件が良かった」
  • 採用に「思想・コンセプト」が存在しない
推奨アクション(優先順)
  • 説明会にメリット・ビジョン・ヘルプの3観点を追加
  • スカウト文に候補者プロフィールへの共感コメントを追加
  • 採用キャッチコピーを1つ決める(言語軸の起点)
  • 面接官に候補者への感情的関心を表現するよう伝える
根拠: 中小・地方企業の採用課題の核心は「選考に進まない」こと。速い思考(システム1)への刺激がないと母集団に入っても候補者の心が動かない。まず感情面の価値(愛着)を高める一手から始める。
Lv.2
26〜50点

認知採用型(伝えているが伝わっていない)

発信はしているが候補者の感情に届いていない状態

特徴・よくある状況
  • 会社情報は充実しているが「個性・人間味」が見えない
  • 担当者によって話す内容・言葉が異なる
  • 候補者に「良い会社だとわかるけど…」と言われる
  • 内定承諾率が伸び悩んでいる(40〜50%台)
  • 説明会は来るが選考に進まない候補者が多い
推奨アクション(優先順)
  • 採用コンセプト(言語軸)の言語化・明文化を最優先
  • 全担当者が同じ言葉で語れる状態をつくる
  • 説明会での「自分事化の仕掛け」を設計する
  • 合否通知に個別フィードバックを追加する
根拠: 遅い思考(システム2)は機能しているが、速い思考への刺激が弱い。「なんとなく良さそう」の手前で止まっている。心のPVを増やすには採用コンセプトの一貫性(言語軸)が鍵。
Lv.3
51〜75点

共感採用型(一部に愛着設計あり)

特定のフェーズで愛着が生まれているが3フェーズが連動していない

特徴・よくある状況
  • 説明会・面接の評判は良いが内定承諾で迷われる
  • 内定承諾率60〜75%台で停滞している
  • 種か醸成か確定のどこかが弱い
  • 内定後のフォローが「連絡するだけ」になっている
  • 候補者のマイビーイングを把握できていない
推奨アクション(優先順)
  • 4軸のスコアを見て最も低い軸の改善を優先
  • 面接でCan/Willの対話を意識的に設計する
  • クロージング場面でマイビーイングを言語化する対話を設ける
  • 内定後に「選択の正しさを証明する」接点を設計する
根拠: 「愛着の醸成」まではできているが「確定」が弱いケースが多い。志望度を高めるタイミングは基本的に内定フェーズまで。内定通知後にマイビーイングを明確にする場面がなければ、他社比較で負けるリスクが高い。
Lv.4
76〜100点

愛着採用型(全体設計完了)

種→醸成→確定の流れが一貫。心のPVが積み重なっている

特徴・よくある状況
  • 内定承諾率75%以上(実績: システムズ様76.7%)
  • 内定者から「面接っぽくなかった」という声がある
  • 候補者が「自分はこうなりたい」と語れる状態
  • 採用に一貫した世界観・言語がある
  • 内定後辞退が年間2〜3名以下
推奨アクション(さらなる強化)
  • 採用担当者自身の「自社への愛情(Step1)」を深める
  • ワークショップ・コンセプトブックで採用ブランドを確立
  • 採用設計の再現性・マニュアル化を進める
  • 内定者同士の交流設計で愛着を相互強化する
根拠: 愛着採用のStep3「伝播」が完成している状態。採用担当が自社に愛情を持ち(Step1)、候補者に示し(Step2)、候補者が感じる(Step3)という伝播の連鎖が完成。次の課題は採用力の組織的な再現性。
SECTION 05
12問の設問解説と測定意図
💗

感情軸(Emotion)— Q1〜Q3

愛着の種フェーズ / 速い思考への刺激設計

Q1
スカウト文・説明会案内で、候補者が「自分に刺さる」と感じるようなメッセージ(ビジョン / メリット / ヘルプのいずれか)を意識的に盛り込んでいますか?
測定意図: 初期接触での感情的訴求の有無。メリット(「あなたにとって」)・ビジョン(「この夢えーやろ?」)・ヘルプ(「ちょっと助けて」)の3観点で自分事化を促せているか。
Q2
会社説明会・初回面談で「静観 → 興味 → 共感(自分事化)」の流れを意図的に設計していますか?(個性や人間味を伝え、感情のひっかかりを作る場面がある)
測定意図: 説明会での心理変化フロー設計の有無。「他人事」から「自分事」に変わる瞬間(=接続)を意図的に作れているかを測定。
Q3
面接官は候補者に対して「あなたのこういうところが面白いと思った」など、感情的な関心を面接中に言葉で表現していますか?
測定意図: 面接官の感情表現スキル。「受容(自らを受け入れてくれる)」の体験を候補者に届けられているかを測定。
💬

言語軸(Language)— Q4〜Q6

愛着の醸成フェーズ(言語化)/ 採用コンセプトの一貫性

Q4
「なぜこの会社で働くのか」を一言で言える採用キャッチコピー・採用コンセプトがありますか?
測定意図: 採用コンセプトの存在確認。心のPVを増やすには「一貫したキーワード」が不可欠。コンセプトがなければ繰り返しの想起が起きない。
Q5
スカウト文・求人票・説明会資料・面接で、同じ「言葉・世界観・キーワード」が一貫して使われていますか?
測定意図: 採用コンセプトの展開一貫性。すべての接点で同じキーワードが使われることで「思い出の積み重ね」が起きる。バラつくと愛着が育たない。
Q6
採用担当者が5人いたとして、全員が同じ表現で会社の魅力を説明できますか?
測定意図: 採用コンセプトの組織浸透度。採用コンセプトが担当者全員に「内面化」されているか。これがなければ接触ごとに候補者の印象がばらつく。

体験軸(Experience)— Q7〜Q9

愛着の醸成フェーズ(体験設計)/ 思い出の方程式(受容×発見)

Q7
選考の各接点(書類通過・面接案内・合否通知)で、候補者への個別フィードバックや「あなたを見ていた」という受容のメッセージを届けていますか?
測定意図: 受容体験の設計。思い出の方程式の「受容(自らを受け入れてくれる)」軸。個別フィードバックは「自分を見てくれている」という受容の体験になる。
Q8
面接で候補者が「気づきを得た・自分のことをわかってもらえた」と感じるような場面(Can/Willの対話)を意図的に設計していますか?
測定意図: 発見体験の設計。思い出の方程式の「発見(気づき)」軸。候補者の事実のCan・解釈のCanを聴き、Willを提示することで「こんな見方もできるのか」という気づきを与えられているか。
Q9
最終面接の後、内定前に「なぜあなたに来てほしいか」を明確に伝える場面(クロージング前の感情訴求)がありますか?
測定意図: 感情訴求クロージングの有無。「好きになってもらうための期間(選考〜内定)」の締め括りとして、感情的な訴求ができているか。内定通知のタイミングが最も心が動きやすい。
🌱

定着軸(Retention)— Q10〜Q12

愛着の確定フェーズ / マイビーイング・伝播

Q10
内定承諾に向けたクロージング場面で、候補者の「マイビーイング(この会社に入社したら自分はどうなりたいか)」を一緒に言語化する対話をしていますか?
測定意図: マイビーイング設計の有無。「マイビーイング」=「自分はこうなりたいんだ!」を候補者自身が語れる状態を作れているか。これがあると周囲に語れるようになり、内定辞退が減る。
Q11
内定承諾から入社までの間に、「選択が間違いでなかった」と感じさせる定期的な接点(連絡・内定者イベント・成長実感の提供)がありますか?
測定意図: 承諾後離脱防止設計。内定承諾から入社までのミッションは「魅力を高めること」。この期間にイニシアチブが候補者に渡るため、承諾に甘んじず接点を維持する必要がある。
Q12
入社3ヶ月時点で「この会社を選んで良かった」と感じてもらうための体験設計(誰が迎え、何を伝え、どんな成長を実感するか)がありますか?
測定意図: 入社後の愛着設計。愛着採用のStep3「伝播」が完成するのは入社後。「この会社に来て良かった」という実感が、次の採用のための口コミ・紹介につながる。
SECTION 06
愛着採用3フェーズと4軸の対応表
フェーズ 対応軸 思考モード 主な施策場面 ゴール
愛着の種
学生からの関心を促す
感情軸 速い思考への刺激 会社説明会 / 初回面談 / スカウト 静観→共感(自分事化)の達成
愛着の醸成
自社の想起を増やす
言語軸・体験軸 遅い思考への訴求 面接 / 座談会 / メールやり取り 心のPV(想起回数×質)を高める
愛着の確定
入社を促進する
定着軸 遅い思考への説得 クロージング / 内定後 / 入社後 マイビーイング確立・伝播完了

3フェーズが連動して初めて愛着採用が完成する。 感情軸(種)で「好きになってもらう」言語軸・体験軸(醸成)で「心のPVを積み上げる」定着軸(確定)で「自分はこうなりたい」を言語化させる という流れ。 どこか1つのフェーズが抜けると、他のフェーズの効果が半減する。